• (兵庫県神戸市)東灘区保護司会

令和7年3月16日 講演会(石田保護司)

講演会『生きづらさを抱える子どもたち』

令和7年3月6日 12:30 –  17:00 @ エル大阪

今まさに保護司支部会でも議論に上がっている依存症や薬物、家庭環境等に関する講演会を聴講してま

いりました。

講演は、4つのテーマで行われましたが、強く響いた2つについて報告します。

最も衝撃的内容は、精神科医 松本俊彦先生による市販薬過剰摂取、ODオーバードーズの現状です。

小中高生の自殺が、年々増えており、特に女子高生の増加が著しい。

その大半が、リストカット、ODが原因となっています。 

覚醒剤や大麻もありますが、市販薬が、何と72%!! コデインなど法的規制薬物ではありますが、10分の1に薄めれば、市販薬として販売OK、という奇妙な法律です。

同じ風邪薬でも病院で処方されたものには入っていないが、市販薬には入っているそうです。怖い話し

です。

がCMでもよく聞く風邪薬の名前が挙がっていました。

食品添加物含有と同じ仕組みだなーと改めて日本の法律の抜け道に呆れます。

生きづらい気持ちを紛らわすため、リストカットし、慣れてくるとODに移行し依存症となる。

国や世間は、相談しなさいと言うが、『相談はギャンブルだ』と。

誰に相談するか? 親には心配かけたくない、そらでも相談したら殴られた!弱い奴だと言われる、周

りに言いふらされる、などが起こる。

私にも同じ経験多々あり。

だからSOSが出せない。

典型的悪循環ループとなります。

松本先生の切り口、視点は深く、上辺だけの対策では、現状を逆に悪化させるという事を強く主張され

ていました。

2つ目は、少年院の現実として加古川学園が紹介されました。

入所者の70%が、IQ80以下、いわゆる境界知能であり、80%が生育環境に逆境体験あり。

保護者にも精神疾患など問題抱えているケースも多い。

ここでも、『相談はハードルが高い』

『大人は信用できない』とのこと。

現実と向き合う方がしんどい、だから何かに依存する、という構図が、見えます。

社会福祉士の方々は、そのような少年達の話しを聞き出す、モヤモヤした気持ちを言語化される事に尽

力されています。

こうすべきだとか、こうあるべきだではなく、寄り添う事を心掛けておられます。

今回の講演では、相談する事がギャンブルだ、ハードルが高いという事、すぐに深刻な話しをするので

はなく、雑談が重要だという事が講演者の方々から何度も出ていました。

効率効率、働き方改革などますます時間的余裕がなくなる社会の方向性。 そろそろ本当の人間らしい

コミュニケーションの取り方に目を向けて行かねばならないと強く感じました。

そして、保護司としても様々な支援グループの事を知り、お互い連携する、繋いでいくことが大事なの

ではないかと考えました。

以上