講演会『生きづらさを抱える子どもたち』
令和7年3月6日 12:30 – 17:00 @ エル大阪
今まさに保護司支部会でも議論に上がっている依存症や薬物、家庭環境等に関する講演会を聴講してま
いりました。
講演は、4つのテーマで行われましたが、強く響いた2つについて報告します。
最も衝撃的内容は、精神科医 松本俊彦先生による市販薬過剰摂取、ODオーバードーズの現状です。
小中高生の自殺が、年々増えており、特に女子高生の増加が著しい。
その大半が、リストカット、ODが原因となっています。
覚醒剤や大麻もありますが、市販薬が、何と72%!! コデインなど法的規制薬物ではありますが、10分の1に薄めれば、市販薬として販売OK、という奇妙な法律です。
同じ風邪薬でも病院で処方されたものには入っていないが、市販薬には入っているそうです。怖い話し
です。
がCMでもよく聞く風邪薬の名前が挙がっていました。
食品添加物含有と同じ仕組みだなーと改めて日本の法律の抜け道に呆れます。
生きづらい気持ちを紛らわすため、リストカットし、慣れてくるとODに移行し依存症となる。
国や世間は、相談しなさいと言うが、『相談はギャンブルだ』と。
誰に相談するか? 親には心配かけたくない、そらでも相談したら殴られた!弱い奴だと言われる、周
りに言いふらされる、などが起こる。
私にも同じ経験多々あり。
だからSOSが出せない。
典型的悪循環ループとなります。
松本先生の切り口、視点は深く、上辺だけの対策では、現状を逆に悪化させるという事を強く主張され
ていました。
2つ目は、少年院の現実として加古川学園が紹介されました。
入所者の70%が、IQ80以下、いわゆる境界知能であり、80%が生育環境に逆境体験あり。
保護者にも精神疾患など問題抱えているケースも多い。
ここでも、『相談はハードルが高い』
『大人は信用できない』とのこと。
現実と向き合う方がしんどい、だから何かに依存する、という構図が、見えます。
社会福祉士の方々は、そのような少年達の話しを聞き出す、モヤモヤした気持ちを言語化される事に尽
力されています。
こうすべきだとか、こうあるべきだではなく、寄り添う事を心掛けておられます。
今回の講演では、相談する事がギャンブルだ、ハードルが高いという事、すぐに深刻な話しをするので
はなく、雑談が重要だという事が講演者の方々から何度も出ていました。
効率効率、働き方改革などますます時間的余裕がなくなる社会の方向性。 そろそろ本当の人間らしい
コミュニケーションの取り方に目を向けて行かねばならないと強く感じました。
そして、保護司としても様々な支援グループの事を知り、お互い連携する、繋いでいくことが大事なの
ではないかと考えました。
以上