• (兵庫県神戸市)東灘区保護司会

令和3年7月20日 FACEBOOK道谷保護司

今日(7月20日)の朝日放送「キャスト」の「なんでやねん!」、前回同様、多くの方々にご覧いただき、放送後、LINEやメールで、多くの知人から「見たよ!」とご連絡をいただきました。

今日のネタ、予定では、「神戸3本立て篇」で、①南京町の十二支の石像にパンダが!? ②国道174号が短すぎる!? ③神戸ハーバーランドに不眠不休で働く人たちが!?という小ネタを3つ紹介するというものでしたが、時間の関係で ②国道174号が短すぎる!?の小ネタは、完全にカットされてしまいました。残念!!(授業の関係で、現地ロケには立ち会わず、謎解きを授業の合間に電話取材で完璧に回答したのですが…)

ということで、カットされた ②国道174号が短すぎる!?の謎解きを参考までに書いておきます。

この国道174号は、日本で一番短い国道として知られています。全長なんと、187.1mしかありません。これでもれっきとした国道です(ちなみに、幅は、南行5車線北行6車線 計11車線もあります)。場所は神戸市中央区の神戸港第3突堤付け根付近からフラワーロードの南の国道2号までです。

なぜこんな短いのに国道なのか?という謎解きです。ロケでは、古川アナと塚田さんは、「重要港湾である神戸港とつなぐために極端に短くてもわざわざ国道にした。」という回答を出してくれました。電話取材で、私から「この回答なら、半分正解の50点!」という評価をつけました。

それでは、この謎解きですが、道路法という法律に、重要港湾と主要国道を結ぶ道を国道にすると言う規定があります。この規定に基づいて、神戸港(重要港湾)と国道2号(主要国道)を結ぶ道として、1958年にこの道が国道174号に指定されました。ただ、この時の全長は940mあり、日本一短い国道ではなかったのです。というのも、当時の国道2号は今のJR三ノ宮駅のすぐ南側を東西に走っており、神戸市役所の前を南北に走る今のフラワーロードが国道174号だったからです。しかし、1962年、市内の渋滞緩和のため国道2号が三ノ宮駅の手前で約750m南を走る阪神高速神戸線の高架下の道路に変更されることになったのです。つまり、国道2号の位置が今のフラワーロードの南端に移動したことで、道路法の重要港湾と主要国道を結ぶという規定をそれにあてはめなければならず、それに伴って174号も付け替えられた国道2号まで、つまり、フラワーロードの南端までということになり、全長が187.1mと縮まってしまったというものです。古川アナと塚田さんの回答、重要港湾とつなぐというところは正解なのですが、なぜ、短かくなったのかという説明がなかったので50点ということにしました。なお、国道でなくなった今のフラワーロード750mは国から県に管轄が移り、正式名称は「兵庫県道30号新神戸停車場線」と言います。

【コメント】

【和田道夫】

知らん事ばかりで、ありがとうございます。ところで、十二支は中国から日本に伝わったのに、日本では豚ではなく何故猪なのですか?猪が家畜されて豚になったが、日本には豚がいなかった?では、何故、家畜の習慣が伝わらなかったのか?道谷先生、教えて下さい。そして、これへの回答も含めて、東灘区保護司会ホームぺージに掲載することをご承認下さい。

【道谷 卓】

和田道夫 さま ご覧いただきありがとうございました😄

1本目の南京町ネタ、実は、南京町が出来た経緯や神戸とパンダの関係という歴史的な解説もしっかり話したのですが、こちらも全てカットされ、お笑いネタになってしまいました。

南京町の出来た経緯は、江戸幕末の神戸開港の際、欧米とは修好通商条約を結び外国人居留地を設置してここに来日した人が居住したのですが、当時の清国とは条約を結んでおらず、居留地に住むことが出来なかったことから、その西側一帯に自分たちの住む場所を作ったことに端を発しています。また、パンダと神戸との関係は、1973年、神戸市が天津市と姉妹都市提携を結んだことから、1981年に開催された地方博の先魁・ポートピア81でパンダが来神したことがきっかけとなり、その後、王子動物園にパンダが寄託され、今日に至るという経緯があります。

ご質問の、干支の亥が中国では豚なのに日本では猪かということですが、中国をはじめアジアのほとんどの国々は猪は豚のことを指すようで、日本が例外みたいです。中国では、猪は「野猪」と書くようです。では、なぜ豚が日本で猪になったか?太古の昔、日本でも豚を家畜として飼っており、干支の亥は豚のこと指していたようですが、その習慣が廃れ、豚がほとんどいなくなったので、それからは、亥が猪のことを指すようになったという南方熊楠の説が有力です。